TENOHASIとは

私たちが活動している池袋周辺にも、生活に困窮して家を失った方が多くいらっしゃいます。
失業・家族と絶縁・病気や障がいなど、原因は様々ですが、共通しているのは孤立無援であることです。
どの方も、安心できる家族や仲間とのつながりを失い、不安に押しつぶされそうになりながら、孤独に耐えてかろうじて生きています。
私たちは、その方々と出会い、話し、一緒に考え、試行錯誤しながら、 安心できるつながりとホームを取り戻すお手伝いをしています。


TENOHASIが目指す社会

困っている人がいれば、誰かが手を差しのべる。そんな地域社会をめざして

長引く不況下に、日本で暮らす人々の間の格差はますます広がりつつあります。
病気やリストラなど何かのきっかけで仕事や住まいをなくしてしまうことは、もはや誰にとっても対岸の火事とは言えない状況です。
現在、ホームレス状態にある人の数は、約7500人とされています(厚労相調査・2014年)が、実際にはその数倍に上ると考えられます。
その人たちを「自分とは違う世界の人たち」と、見て見ぬふりをするのは簡単です。
でももし、あなた自身が、あなたの兄弟や親せきがそうなったとき、見て見ぬふりをされてしまったら…。
飽食の時代に、満足に食べるものもなく安心して眠る場所もない人がいる、それは、私たちが生きているこの社会の現実です。
私たちTENOHASIは、池袋を拠点に、孤立してホームレス状態にある人々がつながりを取り戻し、安心して生きていけるようにサポートすることを使命としています。
同時に、この現実を広く世間に知らしめることによって差別偏見をなくし、孤立している人や生活に困っている人々がいたら、だれかが自然に手を差しのべるような地域社会をつくることを目指しています。


TENOHASIの思い

『すべての人に居場所を』 これが、私たちの思いでした。
TENOHASI理事 森川すいめい(精神科医)

TENOHASIが発足した2003年は、日本の自死者数が急激に高まり、それが続き始めた時期。私たちの国は、生きづらさと閉塞感を増していました。人生には何かアクシデントがあるのが当たり前で、今まではそれを助け合ってきたはずです。しかし、社会にゆとりがなくなってからは、何かあった人は排除されるように変わっていったように思います。その排除された人々の、行き着いた先のひとつが、「野宿」という場所だったのです。
私たちは、野宿する人々に、いくつかの調査をさせていただきました。その中で何度か、「ホームレス状態から脱したいですか?」と質問しました。非常にそう思うから、まったくそう思わないまでの5段階評価です。ほとんど全員が、「非常にそう思う」と回答しました。寒い夜に歩き続け、雨の日は震え、食事も十分になく、ゆっくり眠る場所もないのですから。
それなのに、ここではこんな言葉も聞くのです。
『国が、借金じゃ言うて、難儀しちょる言うから、生活保護も受けんと、野宿しちょるんよ(70歳代女性)』
『息子が、会社社長だから、生活保護は受けられないんだ(70歳代男性)』
『ぜんぶ、私が悪いのです(暴力から逃げてきた女性)』

2012年の厚生労働省の実態調査では、調査対象者の半数以上が60歳以上でした。私たち一人一人は、この結果から何かを学ばなければなりません。人々の心が、どこへ向かうのかが問われていると思います。
今、私たちは多くの仲間とともに、「すべての人に安心できる居場所を」という思いで、人が生きる場所を作っています。今後も、皆さまとともに、どうしていったらいいのかと考え続けていければ幸いです。

森川すいめいのtwitter
(こちらから、森川すいめいのツイッターでのつぶやきがご覧になれます)


TENOHASIのあゆみ

正式名称 特定非営利活動法人TENOHASI
2003年 活動開始
2008年 特定非営利法人格取得
役員
理事 清野賢司(事務局長・中学校特別支援学級教員)
理事 森川すいめい(医療班・精神科医)
理事 坂内孝雄

ボランティアコアスタッフ 約35名

1999年頃 新宿連絡会と池袋の路上生活者が連携して、「池袋野宿者連絡会(いけれん)」を結成。
南池袋公園での炊き出し・越年越冬活動などを始める。
2000年頃 当事者以外の支援者が「池袋野宿者と共に歩む会(いけとも)」を結成。いけれんと共同で炊き出しを運営する。
2001年頃 新宿で医療相談を行っていた医療者グループが、「池袋医療班」を結成して池袋でも医療相談を始める。
2003年12月 いけれん・いけとも・池袋医療班が合体して「地球と隣のはっぴい空間・池袋(TENOHASI)」を結成。
代表中村あずさ・事務局長森川すいめい。
東池袋にアパートを借りて活動の拠点とすると共に、路上生活当事者がビッグイッシューを売りながら共同生活をして路上脱出を目指す事業を始める。
2004年3月 お茶会(「池袋ほっと友の会」)が始まる。
2004年5月 森川が医師国家試験のため事務局長を退任。
2005年12月 資金不足により東池袋のアパートを引き払う。
炊き出しも存続の危機に立たされたが、有志が集合して立て直しを図る。
2006年3月 空席だった事務局長に清野賢司が就任。
2007年1月 鍼灸マッサージ班が炊き出しでの施術を始める。
2007年6月 中村あずさが代表を辞任し、森川すいめいに引き継ぐ。
2008年6月 特定非営利活動法人格を取得。法人名を「TENOHASI」とする。
2008年12月 TENOHASIボトムアップ研究会が池袋の路上生活者の精神状態について第1次調査活動を行い、
非常に高い割合で精神症状や自殺リスクがあることを明らかにした。
2009年1月 ボトムアップ研究会が借りた南池袋のワンルームマンションを緊急シェルターとして使用するようになり「ボトムアップシェルター」となる。
2009年5月 前年のリーマンショック後の不況で路上生活者急増。炊き出しに並んだ人がそれまでの最高462人を記録する。
2009年9月 南池袋公園が工事のため閉鎖。炊き出しの場を東池袋中央公園に移転。
2009年12月 TENOHASIボトムアップ研究会が第2次調査活動を行い、
池袋の路上生活者のなかに多くの精神・知的・発達障がい者が存在することを明らかにした。
2010年4月 浦河べてるの家・世界の医療団との共同プロジェクト
「医療・福祉の支援が必要なホームレス状態の人々の精神と生活の質向上プロジェクト(世界の医療団東京プロジェクト)」を開始する。
2010年10月 独立行政法人福祉医療機構より上記プロジェクトに対する助成金を受ける。
2011年 池袋駅周辺で長年路上生活をされていた方を相次いで公的支援につなげることに成功。
また、心ある大家さんとの連携で、当事者が路上から直接アパートに入居する道が開かれる。
2012年 特定非営利活動法人サービスグラントの支援でホームページをリニューアルする。
2013年 FIT for Charity の助成金を受ける。


会計報告